聴覚障がいの偉人
聴覚に障がいを持ちながら、自分の運命に向き合った方々の人生と名言をご紹介します。
社会福祉活動家 ヘレン・ケラー女史
作曲家 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
聴覚障がいの理解
聴覚障がいは、障がいのある器官が外耳なのか、内耳なのかによって聞こえ方が異なります。
1.伝音性難聴
外耳や中耳に障がいがあると、「音」が小さくきこえます。
2.感音性難聴
内耳や脳の聴中枢に障がいがあると、「音」だけでなく「言葉」の聞き取りが困難となります(老人性難聴は感音性難聴)。
3.健聴の場合
健聴の場合、ダイナミックレンジ(聴こえの幅)が広いことに加え、カクテルパーティー効果(音声の選択的聴取)により不要な雑音を取り除き、人の声をハッキリを聞き取ることができます。
聴覚障がいの現状について
・軽度中等度の難聴者は、身体障害者
手帳が取得できないため、補聴器は
実費で購入となります。
・日本には、潜在難聴者が1600万人
(8人に1人)います。身体障害者
福祉手帳の取得者は14万人です。
・日本の手帳認定条件が国際基準より
も厳しく70dB以上となっているの
が原因です。
・聴覚障がいがあることが外見では
判断できません。
・周りの人にきこえが不自由なこと
に気づいてもらえない。
・自動車や自転車の音に気づかず、
ぶつかりそうになる。
・声をかけたのに無視されたと誤解
をうけることもあります。
・まったくきこえないかたもいれば、
きこえ難いかたもいます。
・言葉を聞き漏らしたり、聞き間違え
ることがあります。
・母音が同じ語の区別が難しいです。
(例:たまご、たばこ等)
・騒音や雑音が多い、道路上や居酒屋
で声がきこえないこともあります。
・スピーカー音が聞こえにくく、電車
のアナウンスがわからない。
・待合室で、自分の名前を呼ばれても
きこえず、ずっと待たされることが
あります。
・周りの状況を知るための、音の情報
が入りにくいこともあります。
・聴覚障がいや難聴について、社会の
理解が進んでいません。聴こえ難い
事を相手に打ち明けても、相手から
理解や配慮が得られない事が多い。
・生まれてすぐの障害ではなく、中途
失聴、難聴の方もいるので、全員が
手話が使えるわけではない。
・大声ならきこえる、集中をすれば、
きこえるといった誤解がある。
・不安や疎外感、劣等感により精神的
にも負担が大きい。
・面倒な人だと思われ、仕事を切られ
たり、嫌われるのではないかと不安
になることがある。
・自分のきこえにくい状態、どこまで
きこえているのかを正確に伝えるの
は難しい。
・聞き間違えが多くなると、人との関
わるのが苦手になったり、人と関わ
ることが減ってくることもある。
・コミュニケーションのトラブルで
ストレスに感じる。
・つまずきを軽減するために。お互い
に歩み寄って支えあう、ソーシャル
インクルージョンの視点が大切。
・健聴者の方へお願いがあります。
会話をする時は、近くでゆっくり、
ハッキリと話してかけてください。
複数人数での会話時は、一人ずつ
話して頂けると助かります。
・当事者の方にも大切な役割がありま
す。きこえない時は聞き返すこと。
そして、自分のきこえの状態を正確
に伝える事です。相手に理解を仰ぐ
事は、他の障がいのある方の理解に
も繋がります。
・伝える工夫として、耳マークや、ヘルプカード等も活用してみましょう。
・社会への提言~未来予想図~
現行の福祉制度は聴力検査で認定を
しておりますが、その人の生活状態
や、労働や学習能力の損失度などの
環境要因に応じた支援が大切です。
・ICFモデル(人と環境との相互作用)
の視点に基づき、どのようなことで
困っているのかに応じて、補聴器の
レンタルや要約筆記派遣、手話学習
や就労支援等の公的支援ができる、
社会を私たちは望みます。